心と体は切り離せない存在というのは、誰もがなんとなく実感していることでしょう。最近では多くの研究でも、両者が互いに影響し合っていることが明らかにされています。
特に、ストレスや感情が体にどのような影響を与えるのか、また逆に体の状態が心にどのように影響するのかに注目が集まっています。
この記事では、心と体の密接な関係について、その理由を科学的な根拠を元に解説します。私の実体験を元にした具体的な事例を紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
心と体がつながっている理由とは?
心と体が密接に結びついている理由は、自律神経系と心に関係があります。
まず、自律神経系は、体内の様々な機能を無意識に調整する役割を持っています。
一方、感情は脳の大脳辺縁系に関与していますが、大脳辺縁系と自律神経の中枢である視床下部は情報のやりとりを常に行っています。
つまり、自律神経と感情は常にセットなのです。
そのため心の状態は、体に直接影響を及ぼします。
ストレスを感じる場面で緊張したり、焦燥感や不安感といった、ネガティブな感情が起きやすくなるのを経験したことがある人も多いでしょう。
そんなとき、体内では交感神経が活性化して心拍数や血圧が上昇し、冷や汗が出たり、筋肉が収縮して血流が悪くなるので、肩が凝ったりします。
このように、心の状態が体の生理的反応を引き起こすことから、両者は密接に関わっているといえます。
感情が体に与える影響の事例
感情は体の健康に直接影響を与えることがあります。
例えば、長期間のストレスや不安は免疫システムを弱め、感染症にかかりやすくなることが知られています。
また、怒りや悲しみなどのネガティブな感情は、胃痛や頭痛、肩こりなどの身体症状を引き起こすことがあります。
【事例】 Aさん(女性)は結婚して20年。仕事が忙しく留守がちな夫とはすれ違いの生活が続いています。 結婚して最初の5年間程度は、寂しいという思いを抱えていましたが、いつしか怒りから諦めや悲しみとなっていきました。 Aさんは子育てと仕事をワンオペしていたので、自分の趣味などにも没頭する時間もありませんでした。 そんな暮らしを20年続けた結果、Aさんはある日突然めまいに襲われ、その後も原因不明の関節痛や重い胃腸炎、気管支喘息、リウマチなどに次々にかかってしまいました。 それぞれの症状が異なるため、別々の科にかかっていましたが、あるとき免疫の専門家に会う機会があり、「それらはおそらく免疫異常でしょう」と言われたのです。 |
自己紹介ページをご覧になった方は「あ!」と思ったかも知れませんね。
そう、これ、私の実体験です。まさか別々の色々な症状が、免疫異常が原因だとは思いもよりませんでした。
ただ、感情と自律神経が大きく関係があると知って、とても納得したのを覚えています。
体の状態が心に与える影響の事例
反対に、体の状態が心に影響を与えることも少なくありません。
例えば、慢性的な痛みや病気は、うつ病や不安障害のリスクを高めることがあります。
実際、慢性疼痛を患っている方のうつ病の生涯有病率は50%以上という報告もあるとのこと。
研究によって、慢性痛が不安を引き起こす脳内メカニズムも解明されています(北海道大学大学院薬学研究院の南雅文教授ら 2022年4月28日Science Advances誌掲載)。
【事例】 Bさんは長年狭心症を患っていて、特に急性期には突然、「このまま死んでしまうのでは…」と思うくらいの激痛に襲われました。 そのため、症状が安定した今も度々再発の不安を感じて眠れなくなったり、動機や胸の違和感にも敏感になりました。 Bさんは徐々に食欲がなくなり、倦怠感なども感じるようになって日常生活にも支障をきたすようになり、うつ病と診断されました。 |
心と体の健康を維持するための実践的なヒント
心と体の健康を維持するためには、両方のバランスを保つことが重要です。
ストレスのコントロール、適度な運動、栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠を意識しましょう。
また、リラクゼーション法やマインドフルネスの実践も効果的です。
心と体の健康を維持する具体的な方法は、以下のページで詳しく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
▶知らない怖いストレスと免疫の関係とは?免疫力を上げるヒント
まとめ
心と体は切り離せない存在であり、互いに強く影響し合っています。
感情が体に与える影響や、体の状態が心に及ぼす影響を理解することで、心身の健康をより良く保つための対策が立てることができます。
日々の生活の中で心と体のつながりを意識し、バランスを保ってより充実した生活を送りましょう!